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「データに基づいて発言」川勝知事がJR東海の反論に“反論”「どれが事実誤認なのか」と気色ばみ 静岡

川勝知事の定例記者会見(1月29日)

リニア中央新幹線をめぐる問題について、何かと物議を醸すことの多い静岡県の川勝平太 知事だが、1月29日の定例記者会見はいつも以上に注目を浴びた。なぜなら、JR東海が24日に知事の認識は“事実誤認”と表明したからだ。

JRが耐えかねて?異例の反論会見

”反論”会見を行ったJR東海・木村専務執行役員(1月24日)

建設が進むリニア中央新幹線に関連して、川勝知事は部分開業や開業時期などについて様々な持論や独自の見解を披露している。

これに対しJR東海はこれまで事務方レベルでの“確認”は行ってきたものの、公の場で川勝知事の発言に疑問を呈したり、問いただしたりということはせず、静観を貫いてきた。

しかし、知事の発する言葉が独り歩きし、誤解を生んだり、既成事実かのようになったりしてしまうことを懸念し、1月24日にはついに異例の“反論”会見を実施するに至る。

川勝知事が“事実誤認”に基づく発言を繰り返す姿に、木村中 専務執行役員は「困惑している」と率直な思いを吐露した。

JRの反論受けてもなお持論を展開

JR東海・丹羽社長の定例会見(1月18日)

こうした中、29日に行われた川勝知事の定例記者会見ではJR東海の会見に関わる質問が相次いだ。

川勝知事はまず、24日に行われた会見について「2010年5月にJR東海が国土交通省の交通政策審議会中央新幹線小委員会に出した事業計画がある。それを“なぞられた”と理解している」との見解を示した上で、JR東海が2023年12月にリニア中央新幹線の開業目標を「2027年」から「2027年以降」へと変更したことを持ち出し「情報を正確に理解していないのではなく、JR東海の事業計画はつぶさに読んでいるので知って言っている。それと違うことを言っているということだが、『2027年以降』に延ばすということになった結果どうするのか関心を持っている」と主張。

また、JR東海の丹羽俊介 社長が18日の定例記者会見で、静岡工区の着工の見通しが立たないことを理由に「品川・名古屋間の各工区の進捗を確認しつつ、工事全体の進め方について検討を始めている」と述べたこととあわせて、「JR東海の事業計画が2010年とは根本的に違ってきた。日本全体に関わることなので、どういう工程で進めるのか誰もが知りたい」と投げかけた。

JR東海はリニア中央新幹線の建設目的や意義について「東海道新幹線の経年劣化や大規模災害への備えとして日本の大動脈を二重系化すること」とし、大阪までの全線一括開業や限定的な区間での部分開業は費用面などから否定しているが、川勝知事はこの点にも言及し、「単なる営利事業かと言うと、営利事業ではあるが東海地震のことを言われている。であれば、採算が合うかどうかということだけでは済まない面がある。採算に合わないということだけでは説得力がない」と持論を展開。

何を聞かれても自分は“是”の姿勢

川勝知事の定例記者会見(1月29日)

結局、川勝知事はこの日なにを問われても「自分の考えをデータに基づいて言っている」「勝手な恣意ではない」「根拠を出して言っている」「私はJR東海の立場に立って言っている」などと繰り返すばかりで自らの非を認めることはなく、それどころかJR東海が「困惑している」と口にしたことに対して「2010年の事業計画を復唱されているだけ。それと違う現実がある。(JR東海が)計画を変え、国交省が認可したので、それをどうするのかなるべく早く言わないとそれこそみんなが困惑する」と、“こちらが困っている”と言わんばかりの姿勢を示した。

さらに、「どのことが事実誤認なんですか?」「事実誤認はどれが事実誤認なんですか?」「事実誤認という言葉が独り歩きしないように」と語気を強める場面も…。

リニア中央新幹線をめぐる問題に関わる県庁内の情報共有体制について、「JR東海から情報提供があれば速やかに報告を受ける形になっている。職員との情報共有に今まで問題が生じたことはない」とし、JR東海とも「意思疎通は出来ている」と胸を張った川勝知事。

ところが、会見でJR東海の木村専務執行役員について「キノシタ執行役員」「キノシタさん」と再三にわたって名前を間違えた川勝知事に対して、正したり、その場で訂正を促したりする職員は一人としていなかった。

そのような体制で、本当に “耳の痛い”話まで川勝知事のもとに届いているのだろうか。

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