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【浜名湖】姿を消す「海のゆりかご」アマモ 親子が我が家で苗育成へ

「海のゆりかご」とも言われる海草のアマモが、浜名湖で急激に姿を消しています。漁師や研究者がアマモの苗を育て湖に植え戻していますが、学びながら子供たちに家で苗を育ててもらう取り組みが始まりました。

育成キットを使ってアマモの苗づくり

2023年11月、浜松市中央区の浜名湖体験学習施設ウォットで、アマモ育成教室が開かれました。浜名湖で約8年前から急激に減少している海草のアマモを復活させようという取り組みの一つです。

アマモってなに?

アマモは海草の一種で、波が穏やかで太陽の光が届く浅い砂地の海辺に生えます。小魚や甲殻類などのすみかになることから「海のゆりかご」と呼ばれています。

アマモは水中の汚れとなる有機物を栄養分として取り入れることで海をきれいにし、光合成により二酸化炭素を吸収して酸素を作ることで、豊かな生態系を育む役割を果たしています。

「海のゆりかご」アマモの苗

アマモの再生は約30年前から全国で行われてきました。直接たねを水中にまく方法で、一定の成果を得ている場所もあります。

浜名湖は徳増隆二さんや浜名湖の環境保全に取り組んでいるNPO団体が、5年前から種をまいたり苗を植えたりしていますが、まだ成果は上がっていません。

潮干狩りが5年連続中止になっている浜名湖

アマモの再生事業「浜名湖ワンダーレイク・プロジェクト」が開いた教室には、親子6組13人が参加しました。講師は地元の漁師たちです。

漁師・徳増隆二さん:
アマモを食べる海の動物は多く、海の生態系に重要な役割を果たしています。アマモが増えることによって魚が増え、漁業も活性化します

漁師・徳増隆二さん

かつて浜名湖でアサリ漁をしていた山田祐己さんは、仕事が続けられずに困っている漁師がたくさんいると訴えました。

元アサリ漁師・山田祐己さん:
アマモが茂っていた頃にはたくさんとれたアサリが、5年ほど前から急減しました。アクションを起こさなければいけない時がきています。浜名湖にアマモを取り戻すため、みんなでアマモを育てる活動に参加して欲しいです

元アサリ漁師・山田祐己さん

講義のあとは、浜名湖に生息している生き物の見学です。ウォットで育てている魚、スッポン、カニ、イカなどを間近で見た子供達からは歓声が上がりました。

浜名湖にさまざまな生物がいるのはアマモのおかげであることを知り、アマモの育成に向けて気合が入ります。

水槽をのぞき込む親子

ビンで育てるアマモの苗

子供たちがアマモの苗を育てるのは、徳増さんたちが考案した簡単な育成キットです。

浜名湖の砂と肥料が入った麻袋が苗床で、子供たちは小さな種をまき、ビンに入れて浜名湖の水で満たしました。

ビンは各自で持ち帰り、ある程度の大きさになるまで家で育てます。

日の当たらない場所に置いておくと、2〜4週間で芽が出て、春先には数cmになりますが、全ての種から芽が出るとは限りません。

種まきのやり方を説明をする徳増さん

「芽が出て育てることができたら、それだけでとても素晴らしい」と話す徳増さん。参加した親子は「育つのが楽しみ」と大切にビンを持ち帰りました。

アマモは発芽率が低く流されやすいので、ビンの中で7~8cmになるまで育てて、苗を湖底に植え付けます。徳増さんたちは、一本でも多くの苗を浜名湖に植え付けることを目指しています。

イネと似ているアマモの種

浜名湖に広がる支援の輪

この教室には徳増さんたちの思いに賛同した浜名湖近隣の病院、浜北さくら台病院の大村久美子理事長も参加していました。

左)浜北さくら台病院・大村久美子 理事長

浜北さくら台病院・大村久美子 理事長:
自分も浜名湖があるここで育ちました。浜名湖畔で暮らす子供たちを応援するきっかけになれば嬉しいです

大村理事長はアマモ育成教室で使うビン300個を徳増 さんに寄贈し、「アマモが発芽して、しっかりと育ってくれることを願っています」と話していました。

浜北さくら台病院がビン300個を寄贈

春には植え付けへ

家に持ち帰ったアマモのタネは、上手く育てば春頃に植え付けができる7~8cmに成長します。

徳増さんたちは3月頃に浜名湖アマモ再生教室「植え付け編」を開く予定です。実際に船に乗って浜名湖内の栽培エリアに行き、植え付けをしてもらいます。

アマモ教室に参加した子供たち

浜名湖にアマモを取り戻すには、たくさんの人に参加してもらい、長い長い年月をかけて地道に継続的に活動していく必要があります。

地域が一緒になって取り組むこの草の根活動の広がりが、アマモが根を広げていたかつての浜名湖の姿を取り戻すことにつながります。

「浜名湖アマモ再生教室」は、浜名湖で近年問題となっているアマモの減少を食い止めるために、周辺で暮らす人たちが力を合わせてできることに挑戦しようと立ち上がった「浜名湖ワンダーレイク・プロジェクト」の一環です。次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる日本財団「海と日本プロジェクト」の支援で行われました。

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