静岡市清水区の工場でかつて使われていた、発がん性が懸念される化学物質PFASについて、市は16日 工場前の水路で毎日行っている調査の結果を公表しました。
最大で暫定目標値の54倍の値となっています。
三井・ケマーズフロロプロダクツの清水工場では、10年前まで発がん性が疑われる有機フッ素化合物PFASの一種・PFOAを使っていたことがわかっています。
静岡市が行ったこれまでの調査で、工場周辺の水路や一般住宅の井戸から国の暫定目標値を超えるPFASが検出されたため、市では10月末から工場前の水路で1日2回 採水調査を行っています。
採取された水を分析するのは駿河区にある市の環境保健研究所。こちらでは水分を取り除いて濃度の高い液体を作る濃縮と呼ばれる作業などを行い、PFASの値を測定しています。
静岡市環境保健研究所・中川美乃里 主幹:
今 測っている検査結果から環境保全課を中心に市としての方針を立てていくことになると思うので、方針を立てるのに必要な検査を速やかにできるように心がけたい
こうした中、市は11月12日までの結果を16日公表し、全26回の調査の内24回で国の暫定目標値を超え、最も高い時には目標値の54倍のPFASを検出したことがわかりました。
ただ、市は現段階で工場との因果関係や原因はわからないとしています。
一方で市が11月8日に開設した相談窓口には、工場がある三保地区の住民から「自宅の井戸を調べてほしい」という相談が約30件寄せられているということです。