静岡県西伊豆町の高齢者施設で食中毒が発生し、33人に症状が出て2人が死亡しました。県は施設で提供された昼食が原因とみて、保存していた食品などから感染経路を調べています。
食中毒があったのは、西伊豆町の特別養護老人ホーム「ヒューマンヴィラ伊豆」です。
県によりますと、施設では11月6日から利用者29人と職員4人が腹痛や下痢、血便などの症状を訴え、このうち利用者の76歳の女性と81歳の男性が死亡しました。
一部の患者の便からO-157が検出され、県は11月3日に提供された昼食が原因とみて集団食中毒と断定しました。
県感染症対策課・塩津慎一 課長:
高齢の人はとくに急変することが多いので、入院している人が今後悪化する可能性もあるので、入院している人の状況については、県としてもしっかり注視していきたい
原因とみられる食事で提供されたのは、炊き込みごはんやサバの竜田揚げ、それにそばサラダやパイナップルなどでした。
食事は施設の給食室で、名古屋市に本社を置く日本ゼネラルフードが調理していて、県はこの給食室について当分の間 営業禁止としました。
施設によりますと、給食室では昼食の際に利用者と職員 計110食~120食ほどを作り提供していたということです。
雨宮帆風 記者:
施設はきょうも利用者を受け入れていますが、食事は同じ業者が別の場所で調理したものを提供しているということです
施設によりますと、現在食事を提供する際は使い捨ての食器を使うなど感染対策を強化しています。ただ食中毒の発生を受け、一部の利用者は施設の利用を控えているということです。
ヒューマンヴィラ伊豆・佐藤友康 施設長:
この事態については重く受け止めておりますし、1日も早く患者が回復されるように私たちは一生懸命取り組んでまいりたいと思います。日常から食中毒に限らず感染対策行っていますが、基本的な手洗いや消毒を怠ることがないように進めてまいりたいと思っています
県は保存してあった当日の食事を調べ、感染経路の特定を急いでいます。
調理をおこなった日本ゼネラルフードは「誠に申し訳なく受け止めています」「ご遺族・発症された方には可能な限りの補償をさせていただきたいと考えております」とコメントしています。