静岡茶の輸出拡大に向けた新たな取り組みとして、複数の業者のお茶をまとめて船で運ぶ「混載輸送」の検証が始まりました。清水港では15日 アメリカに運ぶコンテナへお茶が積み込まれました。
新型コロナの影響で輸送費の高騰が続く中、静岡茶の輸出拡大を目指す生産者や販売業者などで作る協議会は、新たな取り組みとして、複数の業者のお茶をまとめて船で運ぶ混載輸送の検証をおこなっています。
清水港では15日、 20日にアメリカに向けて出発するコンテナに検証に参加した2社のお茶5400kgあまりが積み込まれました。
静岡茶輸出拡大協議会・佐田康稔 会長:
今回は米国への輸出ですが東南アジアでも緑茶の需要が高まっていて、今後 清水港を活用した輸出拡大に取り組んでいきたい
船は12月2日にアメリカに到着する予定で、今後 航空便との輸送費を比較しコスト削減効果などの検証が進められます。
◆「リーフ茶」の消費量が年々減少
お茶の現状について説明します。
日本での1世帯あたりの茶葉からいれる緑茶「リーフ茶」の消費量は年々減少していて、2022年は1世帯あたり701gとなっています。
こうした中、緑茶の輸出量は年々増加していて2022年の輸出額は219億円と過去最高となっています。
海外では健康志向や日本食への関心の高まりから、抹茶など粉末茶の需要が拡大しているということです。
ー海外への販路拡大がこれからも重要になっていきそうです
総務省地域力創造アドバイザー・西原茂樹さん(元静岡県牧之原市長):
日本のお茶を輸出するには「高級志向」「有機」「無農薬」「抹茶」というキーワードでつくられたものが、アメリカやヨーロッパ、最近では東南アジアや中国にも輸出されています。高級で良いもの、安心安全なものが売れるということがわかってきたので、後は相手先と物語を作れるか、SNSで情報発信がうまくできるのか、個人に売っていくとかいろいろな戦略を組んでいく。そのために今回 清水港で「混載輸送」を検証しますが、コストが安くなるのと同時にそのような業者が情報交換をして、アメリカやEUなどで販路の開拓に協力し合っていくという効果もあるので、ぜひうまくいってほしいと思います
ー茶農家の後継者不足について
総務省地域力創造アドバイザー・西原茂樹さん:
いままでは(お茶を)親がやっていたり土地を持っていたらやるということでしたが、これからは農業に縁のない人でも入ってこれる。そのためには先端的なものを入れながら販路も開拓して、若い人たちが事業として入ってこれるような農業が重要になってくるかと思います
お茶はペットボトルを含め可能性があるだけに、さまざまな課題をどう乗り越えていくか今後も注目されます。