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エスパルスの街のシェアサイクル「パルクル」快走 利用者は3年で10倍超 静岡市

シェアサイクル「パルクル」

Jリーグ・清水エスパルスの本拠地、静岡市のシェアサイクル事業が好調です。名前はエスパルスとサイクリングを組み合わせた「パルクル」。当初 約3200回だった月間利用者数は、事業開始から3年余で3万6000回と10倍以上になりました。自転車の台数も6倍に増加し、借りられるステーションも200カ所以上に増えています。

◆シェアサイクルでSDGs

SDGs17の目標

11月はテレビ静岡SDGs月間と言うことでSDGsについて考えていきたいと思います。
まずはそもそもSDGsとは、何なのかということをはじめに簡単に説明します。

SDGsとはSustainable Development Goalsの略で「持続可能な開発目標」訳されています。

2015年9月の国連サミットで採択された国際目標で、2030年までの期間に達成すべき17の目標と169のターゲット(具体的な目標)で構成され地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。

     
 

シェアサイクルに該当する3つの目標

この17の目標のうち「すべての人に健康を福祉を」「住み続けられるまちづくりを」「気候変動に具体的な対策を」という3つの目標に関連が深い、静岡市のシェアサイクル事業「パルクル」についてお伝えしていきます。

「パルクル」のステーション

「パルクル」とは清水エスパルスとサイクリングを組み合わせた造語です。当初約3200回だった月間利用者数は、10月に3万6000回を超え10倍以上にまで拡大。街中で見かける機会も多いのではないでしょうか。

利用者:
私は便利に使わせてもらっています。近場で車を出すほどの距離でもない時に自転車で行っています

事業開始から3年余り。今でも月に1500人以上が初めて利用していて、自転車の台数は6倍に増加しているそうです。

また、自転車を借りられるステーションも200カ所以上に増えています。

静岡市交通政策課・鳥居塚安 係長

静岡市交通政策課・鳥居塚安伸 係長:
事業自体順調に推移してきていると考えている。例えば街に出るときは自転車に気軽に乗って、帰りは電車で帰るとか、いろんな選択肢の幅を広げてくれる乗り物なので、そういった面で受け入れられていると感じる

◆利用するにはスマホにアプリ

「パルクル」アプリ画面

スマートフォンのアプリひとつで簡単に利用できる「パルクル」。実際に私も体験してきました。

松下翔太郎アナウンサー:
アプリ一つで借りられる「パルクル」を借りてみます。アプリを開くと、自転車を借りる場所がたくさん出てきます。

「パルクル」アプリ画面

アプリ内で自転車を借りるステーションを決め続いて自転車を選択し予約完了。鍵の開錠もアプリひとつでできます。

開錠というボタンを押すと、自転車の鍵が開いて乗ることができます。最初のひと漕ぎがとても楽です。

電動自転車ですので勢いよく前に出て、ペダルをこぐ力を必要とせず楽に移動ができます。

TOKAIケーブルネットワーク・吉松寛昭さん

TOKAIケーブルネットワーク・吉松寛昭さん:
イベントへの参加やSNSでユーザーとのコミュニケーションを多くとり、そこでの声を大切にしている。静岡の皆さんの生活の中に組み込まれていると思います

パルクル利用中の松下アナウンサー

交通手段として定着しつつある「パルクル」。今後さらに事業を拡大していきたいということです。

「パルクル」とは

改めて今回初めて利用したシェアサイクル「パルクル」について整理してみます。

静岡市のシェアサイクル事業でTOKAIケーブルネットワークが運営しています。

静岡市内の街中に設置されているステーション(サイクルポート)からいつでも どこのステーションからでも自転車を借り、また返却ができるシステムです。

借りた場所に戻す必要がないのは使い勝手が良く、料金は15分100円で12時間1500円となっています。

ステーションの数は静岡市内に約200カ所あり、すべて電動アシスト自転車ですので坂道も楽々登っていけます。
     
このシェアサイクルを利用するにはスマホ用アプリ「HELLO CYCLING」をダウンロードする必要があります。

ー斎藤さんは自転車に乗るイメージがないのですが

トレンディエンジェル・斎藤 司さん:
いや、むしろシェアサイクルしか使わない感じです。駅から現場までの距離が歩くには遠く、タクシー乗るには近いと言ったことが多く良くシェアサイクル使ってます

「パルクル」の利用状況

「パルクル」の利用状況についてですが、事業者によると平日は午前8時台 午後6時台の利用が多く、通勤や通学での利用が定着していると見られる一方で、休日はイベントへの交通手段の一つとして利用するケースが多いということです。

例えば、安倍川の花火大会やエスパルスのホームゲームの時など臨時の駐輪場が設置されたりして利便性を高めているそうです。

支払いは電子決済やクレジットカードのほかICカードも可能です。

◆利用者増加だが課題も

パルクルは成功事例

国交省の調査では、シェアサイクルを導入している22の都市のうち14都市、約6割で収支がマイナスになっているそうです。そのため補助金を活用している例もあるようです。

一方 静岡市の場合、補助金なしで経済的にも自立した事業として成立しており、自転車の台数、ステーション数、利用回数、顧客数のいずれもが増加しており成功と言えるのではないかということです。

静岡市は政令指定都市の中でも自転車の利用者が4番目に多いということで、こうした点からもまだ利用者が増えていく余地がありそうです。

トレンディエンジェル・斎藤 司さん:
利用者が増えるのは良いことだと思うけど、使いたいときに自転車がないと困りますね、都内だと駅近くはそういうことも良くあるので。あとカゴにゴミ入れていたり、そういうのはきちんと片付けますけど

課題1…バッテリー切れ

成功しているとはいえ、課題も抱えています。その一つが電動アシストのバッテリー切れの問題です。

現状は福祉支援事業者がバッテリーを交換していますが、今後は充電ができるチャージャーステーションの設置を進めていく予定だそうです。

また、2023年12月末には太陽光を使ったステーションがオープンします。今後、防災拠点として展開していくことも検討しているそうです。

課題2…交通ルール順守利用者のモラル

もう一つの課題が利用者の交通ルール順守の問題です。

2023年4月から、すべての自転車利用者にヘルメット着用の努力義務が課せられましたが、パルクル乗車の際、ヘルメット持参の方はほとんどいませんので利用時未着用となってしまいがちです。

また、自転車は軽車両のため、歩道と車道の区別がある所は原則車道通行(車道は左側通行)ですが、なかなかルールの徹底は難しいようです。

自転車に関する交通ルールを守るという点については「パルクル」固有の問題ではなく、利用者のモラル向上を願うしかないかもしれません。

◆シェアサイクル「パルクル」利用方法について

「パルクル」の使い方

課題もありつつ、成功していると評価されている「パルクル」の利用方法について改めておさらいしてみましょう。

まず初めにアプリをダウンロードして会員登録をします。会員登録も簡単でだと思います。

次にアプリを開いて、借りたいステーションを選択し、そこで自転車を選択します。この時にバッテリーがあるかどうかもわかるシステムになっています。

ステーションについたら開錠もアプリで行い、返却もロックの返却ボタン長押しかアプリで返却をタップします。

テレしずSDGs

とにかく一度利用してみると、その使い勝手の良さを実感してもらえると思います。
ですから、まずはアプリをダウンロードして皆さんもシェアサイクルを通じてSDGsに参加してみてください。

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