国内では駿河湾でのみ水揚げされているサクラエビの秋漁が始まり、2日朝に初競りが行われました。初日の水揚げ量は2022年の3分の1ほどと少なく、購入できなかった飲食店もありました。
ピンク色に輝くサクラエビ。
2日午前5時半、静岡市清水区の由比港には1日夜に水揚げされたサクラエビが並びました。
春の豊漁から一転、水揚げ量は県全体で2022年の3分の1となる約1.1トン。競りを前に仲買人たちは悲鳴を上げました。
仲買人:
やりにくいね。仲買人が多いもの、56人。それで入札するからやりにくいでしょ
そして由比港での初競りでは、1ケース15kgあたり最高値は9万110円、平均価格は約8万7000円で2022年より1万8000円以上高くなる結果に。中には入手できなかった飲食店もありました。
くらさわや・渡辺一正 店主:
量も少ないし価格も高く、希望したものが手に入れられなかった。もう少し獲れるようになると思うので、みなさんにたくさん提供できると思う
一方、運良く手に入れることができた、ここ静岡市清水区蒲原の「鮨処やましち」では新鮮なサクラエビがのった「ちらし寿司」が提供され、訪れた客は秋の味覚を楽しんでいました。
来店客:
甘味もあっておいしい。すごく新鮮な感じ。食べに来られて良かったです
漁協では資源回復への手応えはあるものの、この夏の猛暑で海水温が適温とされる18℃より高く、サクラエビの成長が遅れていると分析しています。
由比港漁業協同組合・大石達也 専務理事:
水温が適温になっていないということで、サクラエビが密集しなかった。これから気象条件が良くなればサクラエビもいないことは絶対ないので、今後の漁に期待したい
サクラエビの秋漁は12月25日まで行われます。
◆漁獲量は回復傾向 猛暑の水温上昇で…
サクラエビの水揚げ量の推移を示したグラフです。
2017年の春漁では811トンだったものの2018年には312トンに落ち込み、この年の秋漁は中止となりました。
2019年から徐々に回復してきていて、2023年の春漁では300トンを超え秋漁も期待されましたが初日は残念な結果となっています。
漁協では自主規制をして資源の保護を進めていて、今後の水揚げ量が注目されます。