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【浜名湖】縄文の丸木舟 みんなの力で巨大船が動いた!

現代の道具をほぼ使うことなく手彫りした縄文の丸木舟が完成し、26日浜名湖で乗船会が開かれました。2トンもあるスギの木をくり抜いた巨大船ですが、こぎ手たちが息を合わせると、スムーズに湖面を滑り出しました。

赤鳥居がある「いかり瀬」を出発した丸木舟

巨大なスギの木から生まれた舟

舟は大工のJomonさん(じょうもんさん)こと雨宮国広さんが中心となり、全国のボランティアと一緒に約2年かけ作りました。

雨宮さんは大工として古代の航海を再現するプロジェクトに加わったことをきっかけに、縄文大工の“Jomonさん”として手作りの石おのだけで舟を作るプロジェクトを続けています。

Jomonさんこと雨宮国広さん

今回の舟は、愛知県東栄町で切り出された樹齢約250年の大きなスギの木から作りました。

全国47都道府県をまわり、各地のボランティアの手で少しずつ木をくりぬいていきます。

静岡市葵区梅ヶ島にて 2022年10月

2022年10月には、静岡市葵区の梅ケ島にもやってきて、子供たちも参加して木を削りました。

スギの木を削る石おの自体を手作りする徹底ぶりで、気が遠くなるような作業です。

石おの作り

いよいよ丸木舟が浜名湖へ

こうして全国約1700人の手によって完成した丸木舟が26日、浜名湖に運ばれてきました。沖縄、山口に続く3カ所目の乗船会です。

浜松市西区の弁天島周辺は浅瀬となっていて、小魚が泳いでいる姿もよく見えます。

浜名湖弁天島に到着した丸木舟 8月26日

丸木舟作りに関わったボランティアの親子がこの日を楽しみに県外からもやってきたほか、イベントを知った人たちや、弁天島で水遊びをしていた家族も急きょ加わって、長さ9m、重さ2トンもある丸木舟を動かします。

縄文大工・雨宮国広さん:
みんなで力を心を一つにしてこぎましょう、出発だ!

雨宮さんのかけ声で、大人も子供も木のオールを手に乗り込みます。舟は穏やかな湖面を滑るように進み始めました。

【動画】スムーズに動き出す丸木舟

雨宮さん:
みんなが力を合わせて目標に向かってこいでいけば、大きな丸木舟も動くんだということを体験してもらえたと思います。この丸木舟は奇跡だと思っています。アウトリガー(船体の横に付け安定させる浮き)がなくても、子供たちが心を一つに削った結果、完璧なバランスを保っているんです

一般の人たちがこぎ手として参加

丸木舟は抜群の安定性で、人が乗り降りしても横揺れがほんの少し起きるだけでした。どっしりとした船体は、大きなスギの木に包まれているようで、乗っていて安心感があります。

浜名湖で丸木舟を操船する雨宮さん(右)

東京から参加した夫婦は、子供を連れて参加しました。2トンもある船がスムーズに動いたことに驚き、「太陽のようなJomonさんに会えてうれしいです」と話していました。

また神奈川・鎌倉市から参加した大工の男性は、「これだけの神様みたいな大木に触れる機会はない」と話し、舟作りにも、沖縄で行われた進水式にも参加。舟の安定性に驚いていました。

「地球船が沈没しないように」

浜名湖は海とつながっていて、海水と淡水が混じり合う汽水湖です。いろいろな生き物が暮らしていましたが、約8年前から生き物のすみかとなる海草「アマモ」が減ってきてしまいました。

浜名湖体験学習施設ウォットで育成されている貴重なアマモ

関連ははっきりしませんが、アサリの漁獲量も減少し、弁天島周辺で盛んだった潮干狩りは5年連続中止となっています。

そんな浜名湖で、雨宮さんは丸木舟を通してみんなの力で地球の環境を守っていく大切さを伝えます。

潮干狩りが5年連続中止に

雨宮さん:
水を育む山がないと湖もない。湖の生き物たちも“海のゆりかご”であるアマモがあってこそ、大きな命の営みの中で育まれます。大きな丸木舟もみんなで力を合わせれば前に進むように、私たちが住む“地球船”も沈没しないように、力を合わせてこいでいかなければいけません

みんなで力を合わせれば手作りの丸木舟も奇跡のバランスで浮かんだように、私たちも力を合わせれば浜名湖の環境を好転させ、地球船に乗って航海を続けることができるかもしれません。思いを新たにする、丸木舟の乗船体験でした。

次回の試乗会は9月・10月の2カ月間、雨宮さんが住む山梨県の西湖で複数回開催される予定です。

参加は無料なので公式ホームページを確認し、ぜひJomonさんと一緒に力を合わせて舟をこいでみませんか。

【もっと詳しくみる】試乗会の予定は「Jomonさんがやってきた!」(外部サイト)へ

「大自然とアマモの大切さを知る丸木舟体験乗船会」は、浜名湖で近年問題となっているアマモの減少を食い止めるために、周辺で暮らす人たちが力を合わせてできることに挑戦しようと立ち上がった「浜名湖ワンダーレイク・プロジェクト」の一環です。次世代へ豊かで美しい海を引き継ぐために、海を介して人と人とがつながる日本財団「海と日本プロジェクト」の支援で行われました。

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