4月13日から始まった大阪・関西万博。6月には静岡県も3日間ブースを出展し、国内外に魅力をPRする予定で、その1つがお茶だ。県はお茶の海外輸出を拡大すべく取り組みを進めていて、万博ではどのような仕掛けを考えているのでしょうか？
4月13日に開幕した大阪・関西万博。
「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに158の国と地域が参加している。
静岡県も6月に3日間限定で「GEO KITCHEN SHIZUOKA」の出展を予定していて、ここでは静岡が誇る自然や食文化の魅力を発信する。
そして、その1つがお茶だ。
このため、静岡茶を知ってもらうための一風変わった体験会を計画している。
鈴木櫻子 記者：
こちらが、未来のお茶体験ができるというサービスです。AIが私の状態を診断し、最適なお茶を提案してくれるということです
“テクノロティー”と名付けられたワークショップでは頭に専用の装置をつけると、脳波や心拍数、表情から、その時の健康や気分にあった3種類のお茶を教えてくれる。
鈴木櫻子 記者：
私には「エネルギーが湧き出る、バランスの取れたブレンド」というお茶を提案してくれました
万博では静岡県産のお茶、12種類の中から、AIが提案した3種類の茶葉をその場でブレンドしてくれ持ち帰ることができるという
本山製茶・海野桃子 社長：
静岡には多彩な品種や産地がある。どこも個性豊かで、それらを組み合わせて静岡のオンリーワンのお茶をお客様にご提供するもの。万博は未来のライフスタイルを披露する舞台だと思う。伝統と同じくらい大切な進化を掛け合わせてお茶の魅力を発信していけたら
さらに、もう1つ。万博に向けて企画されているのが国内最大級の伝統工芸体験施設・駿府の工房 匠宿（静岡市）が手がける茶染め体験。
SDGsの観点から染料に使用するのは…
駿府の工房 匠宿・鷲巣恭一郎 工房長：
原料はこちら、静岡のお茶の工場の製造工程でどうしても出る“出物”と言われるもの。そういうものを染料にして使っていきます。乾燥機に積もったりとか床、を掃除した時や機械についたのをとったものとか、最終的に選別してはじかれたものとか。これを一般的な草木染という手法で、袋に入れて煮だしてエキスをとっていきます
万博会場では巾着に自分の好きな柄を入れてもらいながら多くの人に茶染めに触れてもらいたい考えだ。
20年にわたり茶染めの研究をしてきた染物職人の鷲巣恭一郎さんは飲み物としてのお茶だけでなく、自然にやさしい資源としてのお茶の魅力を伝えたいと意気込んでいる。
駿府の工房 匠宿・鷲巣恭一郎 工房長：
製造工程で出てしまうものを先人の知恵、伝統工芸の技術で価値のあるプロダクトを作っていく。使い終わった後も堆肥に加工することで価値を付けていく、そういう循環型のモノづくりがお茶染めの特徴なので併せて知っていただきたい。静岡といえばお茶というのは有名で歴史もあるが、お茶の新たな価値・側面を知ってもらえればうれしい
消費量の落ち込みや生産者の高齢化など 様々な課題に直面している静岡県内の茶業界。
万博という世界各国からたくさんの人が訪れる大舞台で、お茶の新たな需要創出や輸出の拡大につなげられるのか…その第一歩となることが期待されている。
