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「あっ失敗した…」ハンドの判定めぐり誹謗中傷にさらされた経験もある最年少のサッカープロ審判員…目標の“夢舞台”とレフェリングへの思い

大橋さんと審判のユニフォーム

史上最速で8大会連続のW杯出場を決めた“侍ブルー”サッカー日本代表。海外で活躍する選手も多く、その実力は確実にレベルアップしているようだ。

一方、日本サッカー協会はトップレベルの審判員が国内および国際大会において安定して高いパフォーマンスを発揮するため「プロフェッショナルレフェリー制度」を導入し、強化育成に努めている。

2025年 時点でプロフェッショナルレフェリーの主審は18人、最年少レフェリーが目指す舞台もW杯だ。熱い思いに迫る。

最年少“プロフェッショナルレフェリー”

大橋侑佑さん

全国最年少のプロフェッショナルレフェリーにして、静岡県内出身では実に31年ぶりとなるサッカーの国際審判員に選ばれた大橋侑佑さん(30)。

大橋侑佑さん:
普段は家の周りをコース変えながら走ったり、フィットネスジムと契約して通ったりしている 

藤枝市出身で小学生の時から選手としてサッカーに打ち込んできたが、運命を変えたのは高校1年生だった2010年。

大橋侑佑さん:
FIFAワールドカップ-南アフリカ大会が開催されていた時期で、日本人の審判員がW杯の舞台に立っていて、その試合をみて自分もこういう舞台に立ちたいなと思った

大学生の時に1級審判員に合格すると、卒業後は仕事の傍ら週末は高校世代やJFLさらにはJ3など様々なカテゴリーを舞台に審判としてのキャリアを積んだ。

SNS上のコメント

そして…2024年9月。

初めて経験したJ1のピッチ。足の速い選手にも引けを取らずに躍動した姿はSNSでも大きな話題となった。
 
「前半終了間際のキツい時間帯にこれだけ走れるのがまたすごいんだよな」「大橋主審、とても良かった。日本のトップレフェリーになれると思います」などと称賛するコメントが溢れた。

大橋侑佑さん:
今まで経験したことのないスピード、間近でゴールが見られる。J1の舞台でゴールが見られる。それを一番の特等席で見ることが出来たのは、感動的だったことを覚えている

大橋侑佑さん

しかし、初の大舞台からわずか3日後…。自身2度目となるJ1のピッチでハンドを巡る難しい判定を迫られた。

大橋侑佑さん:
もちろん自分の中で“あっ失敗した”というのはあった

ハンドをめぐる大橋さんの判定にSNS上は荒れに荒れ 誹謗中傷するようなコメントも相次いだ。

大橋侑佑さん:
あの現場で(笛を)吹くべきではなかった。吹かなければオンフィールドレビューすることなく流れた。自分のレフェリングのスキルについて、まだまだレベルが低いと感じている

審判としての思いと目標

審判のユニフォーム

Jリーグでは2024年、選手やスタッフに対する誹謗中傷が問題となり、町田ゼルビアは誹謗中傷した人物に対する刑事告訴に踏み切った。

今シーズンは開幕前、選手やスタッフ・審判員に誹謗中傷があった場合は、法的措置も含めて厳正に対処するとの方針を示している。

大橋さんは誹謗中傷を減らしていくために、誰もが納得のいく判定を積み重ねたいと意気込む。

大橋侑佑さん:
正しく判定して当たり前なのが審判員であり、何か疑義が生じる判定をするとそこにスポットが当たる。でも正しい判定してもそこにスポットが当たることはほとんどない。もちろん誹謗中傷はあってはならないと思うし、無くしていかなければいけないと思うが、ゼロになるかというとならないと思う。もっといい判定をすればもしかしたら、無くなっていくかもしれない。そのために経験を重ねて試合を分析し、より良くしていきたいと全てのレフェリーは思っている

大橋侑佑さん

2025年1月には県内出身のレフェリーとして、初めて日本サッカー協会と契約を結んだことで仕事も辞め、この道一本で生きていくことを決意した。
 
とはいえ、世界には20代でも国際大会で活躍するレフェリーがいることから1日も早く同じ舞台に立てるよう研鑚を積む毎日だ。

大橋侑佑さん:
審判を始めた時に掲げた夢なので、W杯の舞台に立つ、そこが自分の目標・夢ですね

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