
2025年3月23日 投開票が行われた静岡市の市議会議員選挙。
春にミニ統一地方選、夏に東京都議選と参議院議員選挙を控えていることもあり国政政党の幹部が続々と応援に駆け付けるなど前哨戦の様相を呈しました。

人口67万人あまりの“県都”静岡市。
3月23日、新たに市政の一翼を担う市議会議員48人の顔ぶれが決まりました。
ただ…。
市民の関心は低く、投票率は過去最低を記録した前回選こそ上回ったものの42.01%。
有権者の2人に1人も投票に行っていないのが現実です。

一方、今回の選挙で目立ったのが…。
立憲民主党・小川淳也 幹事長:
本格的に社会を変えるには条件闘争ではどうにもならない、政権を変えてこそ
日本維新の会・前原誠司 共同代表:
みなさんの生活を第一と考え、しっかりとした政策実現を行っていく
国民民主党・榛葉賀津也 幹事長:
現役世代の所得をしっかり増やし、働く世代がこの静岡を守る、そんなふるさとを作っていきたい
国政政党の幹部による静岡入りです。

2024年10月の衆議院議員選挙で惨敗したことにより過半数割れした与党。
さらに、告示直前には石破総理が自民党に所属する衆議院の新人議員15人に対して、それぞれ10万円分の商品券を渡していたことも発覚しました。
このため、春にミニ統一地方選、夏に東京都議選と参議院議員選挙を控えていることも相まって静岡市議選が前哨戦の舞台に。
立憲民主党・小川淳也 幹事長:
静岡市議選で野党各党が候補者を擁立していて、その中から選択してもらわなければいけない
国政では野党第一党の立憲民主党は改選前2からの議席倍増を狙い、葵区・駿河区・清水区あわせて5人を擁立。
告示翌日には小川淳也 幹事長が応援に駆け付けました。
立憲民主党・小川淳也 幹事長:
野党は複数ありますが、この政権と本格的に対峙しようとしているのはどこなのか
それは野党第一党ではないのかということもこの地方選挙でもしっかり訴えていきたい

日本維新の会・前原誠司 共同代表:
今の日本の政治を変えるためにも カネと政治の問題を正していくためにも 日本維新の会に力を持たせてもらい、これを明らかにしていく
日本維新の会は悲願の議席獲得を目指し元職が立候補。
前原誠司 共同代表自らマイクを握りました。
日本維新の会・前原誠司 共同代表:
有権者には静岡市政の課題と合わせて、自民党の金権体質に厳しい判断を下してほしい

国民民主党・玉木雄一郎 代表:
国政だけではなく、県政・市政一体となって取り組んでいく、チームとしてまとまりのある政策集団としてこれからも強く大きくなっていきたい
結党以来始めて県内政令指定都市の市議選に公認候補を立てたのが国民民主党です。
榛葉賀津也 幹事長の地元ということもあり、3月20日には玉木雄一郎 代表とそろい踏み。
国政選挙でもめったに見ない光景となりました。
国民民主党・玉木雄一郎 代表:
国政にも影響を与えていくと思うので、今の政治の在り方は問題だということも含めて
市民に託してほしい

一方、与党・公明党は斉藤鉄夫 代表が静岡に。
公明党・斉藤鉄夫 代表:
これからの日本の政治の行方を決すると言っても過言ではない大変重要な選挙
この先の選挙情勢を占うと危機感をあらわにしました。
公明党・斉藤鉄夫 代表:
党本部も全力を挙げて、静岡市議選を何としても勝ち抜いて参議院選挙につなげていきたい

こうした中、異質だったのが自民党です。
候補者が個人的に関わりのある国会議員を演説などに呼ぶことはあっても、県連や支部として応援弁士の派遣要請をしませんでした。
自民党県連・相坂摂治 幹事長:
地方選挙は普段からの地域のみなさんとの活動の確認であり、目標の共有であり、地域課題について次の4年間で何ができるかしっかり示す機会。自民党はそのことを重視した いつも通り変わらないペースで選挙をやっている
逆風への苛立ちからか、中にはSNSにこんな投稿をする自民党候補も。
(SNSへの投稿)
私たちは静岡市議会議員選挙を戦っているはずなのに、国政の話題を持ち込んで批判だけ繰り返す輩の多いこと。市政と国政は別物です。

そして投票の結果、最近の支持率の高さそのままに破竹の勢いを見せたのが国民民主党です。
擁立した新人2人がいずれもトップ当選を果たし、特に葵区の杉山真裕子さんは2番手にダブルスコアをつける圧勝劇でした。
国民民主党・杉山真裕子さん(葵区でトップ当選):
市議会議員選挙だが、国に取り組んでもらいたいことの声も本当にたくさん聞こえてきた。地域のこと、国の政策のことを市民の皆さんが切実に願っていると感じ、それも私の票につながっているのでは

また、立憲民主党も議席を倍増させ、公明党と共産党は候補者全員が当選、勢力を維持しています。
一方、日本維新の会は議席を獲得できませんでした。
さらに、厳しい結果を突き付けられたのが自民党。
特に激戦となった清水区で苦戦し、最大勢力の座こそ保ったものの改選前の23議席から19議席へと後退しています。