いわゆる年収の壁をめぐり、自民・公明の与党と国民民主党の協議は事実上決裂しています。
与党案は衆議院に提出され、予算委員会で審議されています
国民民主党・榛葉賀津也 幹事長:
今年(2025年)も衆議院では予算審議の佳境に入っています。もうすぐ出口が見えてくるでしょう。悔しいけどね、しょうがない。“数”がないから
3月1日、静岡県浜松市で県連がおこなったタウンミーティングでマイクを握った国民民主党の榛葉賀津也 幹事長。
いわゆる年収の壁の修正案に悔しさをにじませました。
自民党・宮沢洋一 税調会長:
それなりの案ができたものと思っておりまして、今回の国会に修正案という形で提出したいと思っている
所得税が生じる年収の境目、いわゆる年収の壁の引き上げを協議してきた自民・公明の与党と国民民主党。
「178万円を目指して2025年から引き上げる」ことで合意していましたが、先週与党側から出てきたのは所得制限を設けた上で、控除額を最大160万円とする案でした。
一方与党はその間、高校の授業料無償化について日本維新の会と協議してきました。
石破茂 首相:
与野党の建設的な協議と合意は、国会の在り方としても非常に意義深いもので、自民党としては合意事項の実現に向けて責任と誠意を持って対応していく
日本維新の会・吉村洋文 代表:
日本維新の会はこれからも公約を実現する。政党は手段であることを肝に銘じ、少しでも社会を変える、有権者との約束を守る。前に進めていきたい
2月25日に高校の授業料無償化などを柱に正式に合意。
維新は新年度予算案に賛成する方針で、与党と合わせて過半数の賛成を得られることから成立する見通しとなりました。
こうしたこともあり、年収の壁についての協議は事実上決裂。
自民・公明の与党は2月28日、年収103万円の壁について年収制限をかけた上で160万円まで引き上げる税制関連法案を衆議院に提出しました。
与党の案に榛葉 幹事長はいつの間にか「低所得者層を守るための政策」に変わっていると批判しました。
国民民主党・榛葉賀津也 幹事長:
低所得者層を守るのも大事。しかし、本来の目的は中間層を手厚くして、この国の経済を回そう、日本を強くしようというのがこの政策の柱じゃなかったのか。知らない間に政策の趣旨がすり替わり、低所得者を守る政策に変わった。ここは恒久的に減税。でも年間2万円。そこから上はどうなるかというと新しい“壁”をにょきにょき作って“103万円の壁”を取り除こうというのに障害物競争みたいに次から次に“壁”ができる
そしてこの日、与党と3党合意したもう1つの政策であるガソリン税の暫定税率の廃止について法案を出す方針だと語りました。
国民民主党・榛葉賀津也 幹事長:
我々は来週勝負したいと思っている。新しい法案を出そうと思う。ガソリン減税に特化した法律をいま出す準備を始めています。賛同してくれる野党と一緒にこの減税を政府与党に突きつけたい
ガソリンの暫定税率廃止は同じ日、野党第一党・立憲民主党の野田代表も国民民主と共同で提出する考えを示し、さらに維新の会も賛意を示しています。
そして3日午後、立憲民主党と国民民主党はガソリン税の暫定税率を廃止する法案について、共同で国会に提出しました。
両党は日本維新の会にも共同提出を呼びかけていましたが、吉村代表は3日に自民・公明両党も加えた5党で協議体を設けるべきだとの認識を示しています。
法案の共同提出について、立憲民主党と国民民主は維新など他の野党にも賛同を呼びかけていく考えです。