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清水エスパルス”新スタジアム構想”難航 静岡市長「地権者との調整がなかなかつかない…」 候補地が示されてから約3年 完成から30年以上が経った日本平スタジアムは老朽化が顕著も課題山積

新スタジアム候補地とエスパルスサポーター

Jリーグが開幕し、3年ぶりにJ1に復帰した清水エスパルスは3戦負けなし発信とサポーターのボルテージも上がっている。そして、チームへの声援と共に熱を帯びてきているのがアクセスの良い新スタジアム建設への思いだ。候補地が示されてから約3年…計画の進捗状況の”いま”を追った。

ホーム開幕戦も勝利で盛り上がるサポーター

サポーター

2月22日のホーム初戦も見事な勝利で飾ったエスパルス。

17年ぶりの開幕2連勝ということで、帰路につくサポーターからは喜びの声が聞かれた。

サポーター:
勝ってよかった、完璧だった

サポーター:
カピシャーバ選手が好きなのでカピシャーバ選手が決めてすごく良かった

サポーターとチームが一体となって大切な時間を過ごすのが静岡市清水区のIAIスタジアム日本平だ。

エスパルスのホームスタジアムとしてサポーターの思いも詰まっている。

サポーター: 
聖地みたいな感じ。子供たちと一緒に来て毎回が思い出になっていく

サポーター: 
知らない人とも一緒に応援できてエスパルスサポーターとして団結できる場所

サポーター

一方でアクセスや規模などに関してこんな意見も聞かれた。

サポーター: 
すごく見やすいが、アクセスがちょっと。これから相当まだ歩くからね、駐車場まで

サポーター: 
J1上がってエスパルスの規模が大きくなっていく中では、ちょっとスタジアムとして物足りない

サポーター:
もう年取ってきたから、電車で来てホームからすぐスタジアムに行けるのがいい。(新スタジアムが)早くできればいい 

サポーター:
本当は向こうの方がいい、新しい方が…(Q.清水駅の方?)はい

新たなスタジアムへの期待膨らむ

IAIスタジアムの空撮

サポーターから期待の声があがっているのが新たなスタジアムの計画だ。

静岡市が所有する日本平スタジアムは完成から30年以上が経ち、老朽化が進むとともに駅からも遠くアクセスが課題となっている。

そのため、エスパルスも静岡市に新スタジアムの整備を繰り返し求めてきた。

清水エスパルス・山室晋哉 社長(2024年11月):
IAIスタジアムはキャパシティが収まらないくらいになってきているので、ぜひこの明るいニュース(J1昇格)で新スタジアムへの弾みがつけば

地権者も前向きな印象だったが…

候補地のエネオス製油所跡地

こうした中、スタジアムの移転先として浮上しているのが…

鈴木櫻子 記者:
JR清水駅と目と鼻の先、交通の便も良いこの場所にあるのが製油所の跡地です。民間事業者が所有していて大きなタンクが残されています。

石油元売り最大手・エネオスの製油所跡地で、JR清水駅からすぐ近くの場所にあり、東京ドーム3個分の敷地がある。

静岡市はエネオスと2021年に地域づくりに関連した合意を結び22年度にスタジアムの最有力候補地に選んだ。

齊藤猛 社長(2023年5月当時)

エネオスホールディングス・齊藤猛 社長(当時・2023年5月):
エネオスとしてはぜひこのプロジェクトを皆さまのために成功させたい

静岡市・難波喬司 市長(2023年5月):
とにかく急いで調査を行い社会に提示して次の展開を進めていくのが大事。そういう意味ではちゃんと始めることができた

現在の状況を市長は

難波喬司 市長(2025年2月)

では計画はどこまで進んでいるのか?

2025年2月21日に開かれた定例会見で難波市長に聞いてみると…。

静岡市・難波喬司 市長
地権者との調整がなかなかつかないので発表できない状況。あそこにスタジアムシティを作りたいとかいろいろな考えを持っている人がいることは確認できているが、土地を持っている人、具体的にいうとエネオス。エネオスと調整中ということになる

土地の所有者のエネオスと調整中とし、今後は調整がついたところで跡地を利用した事業を希望する事業者を募る方針だ。

調整事項は山積か

鈴木健一 課長補佐

市の担当者は交渉が進んだとしても土地をどこが所有するかなど、まずは基本的な部分の調整が必要と話す。

静岡市企画課・鈴木健一 課長補佐:
土地をどうやって扱っていくのか。例えば市の土地にするのかしないのか。民間の開発にあたり所有も民間でやってもらうのか。様々な可能性があるので、まずはそこの条件整理から事業者の手上げ(応募)に向け、その機運を高めていくことが直近の課題

スタジアムなどの整備構想(静岡市資料)

そして、気になるのは採算性だ。

新スタジアムの建設費は市の試算では240億円となっている。

莫大な費用の負担に市がどこまで関与するかも今後の検討課題だが、難波市長はこれまで「民間主体の事業」と強調してきた。

市はスタジアムへのホテルや商業施設の併設や近くの魚市場のリニューアルなど周辺の再開発も含めたエリア一体となった“お金を稼げる”街づくりを目指している。

静岡市企画課・鈴木健一 課長補佐:
単にスタジアムだけでビジネスが成功するものではない。(エスパルスは)年間20試合くらいの開催なので、そのためだけの施設だとどうしても赤字になってしまう。そうした意味で考えると(周辺も含めた)面的な整備が必要になってくる。あくまでスタジアムを中心とした街づくりという点で、民間も含めて投資してもらうことでプラスに転じる取り組みにしたい

エネオス製油所跡地周辺の空撮

スタジアムだけではなく、スタジアムを中心にした清水の新たな街づくりへ。

完成までの道のりはまだまだ遠い感じだが、取り組みの行方を多くの人が注目している。

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