
リニア中央新幹線・静岡工区の着工が見通せない中、JR東海の丹羽俊介 社長は1月29日に静岡県庁を訪れ、鈴木康友 知事と面会しました。
この中で丹羽社長がまず「早期開業という期待も多いところなので、当社としては1日も早く着手したいと考えており、静岡県との対話は丁寧かつスピード感を持ってやらせていただきたいと思っています。地域の理解・協力を得られるよう引き続き双方向のコミュニケーションを大切にしながら真摯に取り組んでいきたい」と挨拶すると、鈴木知事は「着手の前提となる28の対話項目も4項目が終了し、残り24項目も何としても早く終了させて条件を整えていきたいと思っている」と返しました。
面会はこのあと非公開で行われましたが、終了後、取材に応じた丹羽社長は「リニア開業後の静岡県のメリット」について説明したことを明らかにしています。
具体的には、リニア新幹線の品川-名古屋開業時点で、静岡駅と浜松駅に停車する東海道新幹線「ひかり」号を現在の1時間に1本から2本(約30分に1本)とするほか、品川-大阪開業時には両駅に停車する「ひかり」号のさらなる増加、そして県内の他駅の「こだま」号の停車回数も増やすことを目指す考えです。
JRの説明に対して、鈴木知事は「鉄道会社としては今の時点で説明しにくいことだと思うが、相当踏み込んだ回答で、私としてもびっくりしたし喜ばしい情報」と述べました。
JR東海がリニア開業後の東海道新幹線について具体的なダイヤに言及するのは初めてです。