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台風被害から5カ月…被災地のいま 墓石倒壊の寺に地元の高校生から義援金 イチゴは収穫期に「なんとかやってみようと」

静岡県内に大きな被害をもたらした台風10号から5カ月。墓石が倒壊した寺に1月29日 地元の高校生から義援金が贈られました。

また農業用ハウスが被害を受けた農家ではイチゴが収穫時期を迎えています。

東海大静岡翔洋高校の生徒と世永天山 住職

義援金の目録を手渡す生徒:
鉄舟寺の復興を願う多くの人から預かった義援金です。1日でも早く元の姿に戻ることを願っていま

土砂崩れで墓石が流されてしまった寺に贈られたのは東海大静岡翔洋高校の生徒たちの働きかけで寄せられた義援金約220万円の目録です。

鉄舟寺・世永天山 住職:
1円たりとも無駄にせず復旧作業を進めていきたい

2024年8月 台風10号の接近に伴う大雨で鉄舟寺では幅約40mに渡り土砂崩れが発生し、51墓の墓石が流されました。

生徒たちは約3カ月にわたり募金を呼びかけ集まった義援金は220万円にものぼりました。

復旧途上の鉄舟寺

鉄舟寺・世永天山 住職:
いろいろな方々の協力で無事に51基のお墓にあった仏様を出すことができた。今あるのは土砂だけ

鉄舟寺では今後 春の彼岸までに崩れた土砂の土留めをしたうえで、仮設の参道を設け墓参りできるよう整備していく予定です。

東海大学付属翔洋高等学校3年・若神子凛さん:
少しずつ鉄舟寺が復旧している姿を見ることができてとてもうれしいです

東海大学付属翔洋高等学校2年・見崎航平さん:
1日でも早く、今までよりも安心安全な鉄舟寺を見たい。檀家さんの笑顔が早く戻ってくるのを見たい

義援金は今後復旧にかかる費用の一部として活用されるということです。

ハウスの中のイチゴ

旬を迎えたイチゴ。静岡市駿河区・久能地区の特産です。

5カ月前、この地域も大きな被害を受けました。

2024年8月土石流視聴者撮影5秒久能地区では土砂崩れでイチゴを育てる農業用ハウスが流されました。

伊藤渚紗 記者:
約5カ月前 猛烈な土砂がこちらの石垣にあった全ての農業用ハウスを呑み込んでいきました。現在はハウスの鉄骨などは撤去され、二次災害を防ぐため水の流れを確保するパイプが施されています

久能地区でイチゴの栽培をしている澤山秀雄さん。所有するイチゴのハウスのうち約半分を失いました。

27日 残ったハウスを訪ねると真っ赤に色づいたイチゴの収穫が始まっていました。

イチゴ農家・澤山秀雄さん:
これだけ残ったら、なんとかやってみようと。味はいい、味は最高

澤山秀雄さん

毎年この時期にはいちご狩りに訪れた人たちでにぎわっていたハウス。

しかし今年はいちご狩りの予約受付期間や規模を大幅に縮小せざるを得ませんでした。

いまは販売所の営業を週末のみ行っています。

イチゴ農家・澤山秀雄さん:
(ハウスが)半分になったから収穫も半分、収入も半分。うちの農園に毎年来ているお客さんに悪い。できるだけ対応したいが、畑が土地がないから人数は限られている。毎年来るお客さんに美味しいイチゴ食べてもらいたい

75歳の澤山さん。失ったハウスの再建は断念しますが、今後もできる範囲でイチゴ作りを続けていきたいということです。

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