私たちの食卓に欠かせない食材の1つ、卵の値上がりが続いてます。なぜ値上がりし、高値はいつまで続くのでしょうか。飲食店も消費者も生産者も苦悩の日々が続いています。
静岡県下田市のハワイアンカフェ「ダイニング&バー ナミナミ」。
厨房で使っているのは大量の卵です。
ダイニング&バー ナミナミ・堀谷紗彩 店長:
(Q.卵を使う料理は多い?)ほとんどに使います。ハンバーグにもパンケーキにも。目玉焼きも料理のトッピングに乗せるので、結構使います。(1日に)3パックは使うので
店が仕入れている卵の現在の価格は1パック当たり220円。
この3カ月で50円値上がりしました。
1カ月に使う卵は約900個ということなので、単純計算で1カ月に4500円のコストアップです。
卵に加え、野菜や米の価格も高騰していて、店は頭を抱えています。
堀谷紗彩 店長:
リーズナブルに提供したい一心ですが、それだとやっていけない部分もあるので、だんだんメニューの価格も上がっていくのでは
卵の価格高騰に消費者も困惑しています。
来店客:
少し高い。最近(物価の)優等生ではなくなってしまった
来店客:
週に3回か4回 目玉焼きやゆで卵するが、だんだん値段が高騰すると他のもので
来店客:
最近は あまり(卵を)入れないようにしている。高いから今日はごめんねって
こちらのスーパーでは平年に比べ30円から40円ほど値上がりしているといいます。
少しでも安く卵を買い求めてもらおうと週に2日の特売日を設けていますが、これからクリスマスシーズンを迎え卵の需要が高まることから、価格の高騰は続くと予想しています。
田子重セナ店・簾野泰博 副店長:
(卵の価格は)3~4カ月前から上がり続け、2024年下期から2025年上旬まで高値で推移していく予想
「物価の優等生」と言われる卵。
いったい何が起きているのでしょうか。
富士山麓・朝霧高原のあさぎり宝山ファーム。
自然豊かな環境の中、珍しい「放し飼い」で鶏を大切に育てています。
与えているエサにもこだわっていますが…
あさぎり宝山ファーム・福崎正展 社長:
数年前から比べるとエサの値段がかなり高くなっている。加えて円安もあり、その影響で飼料価格が上がっている
ロシアのウクライナ侵攻後、飼料価格が倍以上に。
卵の価格が高騰している原因の1つだといいます。
追い打ちをかけたのがこの夏の猛暑です。
福崎正展 社長:
(暑さで)バテれば産卵率も落ちて、卵の供給量が全国的に不足していた。需要と供給の関係で、卵の価格が少し上がってきた。生産者としては今の時代、いろいろな経費もコストもかかっているので、正直 少し卵の値段が上がることはうれしい側面もある
そして、これからの季節で懸念されるのが2023年に大流行した鳥インフルエンザの影響です。
いつになったら価格が落ち着くのか…先が見通せない状況に生産者も消費者も不安を募らせています。