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歴史的な日から一夜 ひで子さん「毎日言っていこうと…」 袴田巖さんに無罪の意味わかってもらうために

取材に応じる袴田巖さんの姉・ひで子さん(9月27日正午前)

1966年、静岡県清水市(当時)で味噌製造会社の専務一家4人が殺害された強盗殺人放火事件、いわゆる袴田事件のやり直しの裁判をめぐっては9月26日に静岡地裁の國井恒志 裁判長が、袴田巖さん(88)に対して無罪を言い渡しました。

一夜明け、巖さんの姉・袴田ひで子さんは27日正午前、報道陣の共同取材に応じ、まず「いい裁判でございまして、本当に私うれしかったんですよ。すばらしい1日でした、おかげ様です」と歴史的な1日を振り返りました。

ただ、無罪判決の実感は「まだあまり湧いてこない」と話すひで子さん。

巖さんには26日のうちに判決内容を伝えましたが、「黙りこくってるの。わかっているのか、わからないのか、ちょっとわからなくて、再三『無罪になって、もう心配いらんよ』って言ったんですが、ちょっとわからんような風だった」ことから、27日は新聞の朝刊を全紙買ったと言います。

そして、朝食後の落ち着いたタイミングを見計らって、すべての新聞をそろえた状態で「こういう風に書いてある。本当だよ。わかったでしょ?」と話しかけると、「返事はしないですが、何となく表情がちょっと明るくなった」ように見えたそうです。

ただ、巖さんが言葉を発することは最後までなく、このため「毎日ね、少しずつそう言っていこうと思っております。根気よくわかるように話をして、段々にわかってくれると思う。わからないから『しょうがないわ』ということじゃなくて、わかってもらおうと思って言っております。だから毎日、少しずつでもわかってもらおうと思って、新聞を見せるなりテレビを見せるなりして、ちょっと変えてやっていこうと思っています」と述べました。

ひで子さんは26日夜、弁護団との祝勝会に参加し、「弁護士さんたちとみんなで抱き合って写真撮った」といい、巖さんには“勝利のお祝い”として27日の昼食に寿司を用意したということです。

また、判決はまだ確定しておらず、今後、検察が控訴する可能性も残っていますが、「出てみないとわからないからね、まだ出たわけでもないから。そんなこといちいち気にしていません」と前を向きました。

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