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熱海土石流 亡き妻の墓前で誓い「孫の成長を俺が見守っていく」発災1カ月前に誕生 自宅再建し新たな一歩

黙とうを捧げる田中公一さん(7月3日午前10時28分頃)

熱海市伊豆山を襲った土石流災害は7月3日で発生からちょうど3年となり、被災地では消防に最初の通報が寄せられた午前10時28分に各所で黙とうが捧げられました。

黙とうを前に土石流で犠牲となった妻・路子さんの墓参りに訪れたのは田中公一さん(74)です。

これまで幾度となく各種メディアの取材に応じてきた田中さんは「何度も何度も取材してもらい路子も喜んでいると思う。この災害を風化させたくないというつもりで、私はメディアに出続けようと思っている」と話します。

路子さんが亡くなったのは孫が生まれてからわずか1カ月後。

成長を見せてあげられなかっただけに、墓前では「助けてあげることが叶わず、あいつに1人背負わせてあの世に行かせてしまったような状態なので、それを悔やむというか謝った。残された子供や孫の成長を俺が見守っていくように(路子さんから)引き継いで、お前の分もあれするよ(頑張る)」と報告したといいます。

田中さんは2023年、同じ伊豆山地区に自宅を再建しました。

心の傷が癒えることはないものの、自身が自力で新たな一歩を踏み出したことから、斉藤栄 市長が認める通り復旧や復興に遅れが出ている現実には少し憤りもあります。

「(道路など)3年間、ほとんどのものが変わっていない。行政の対応もお粗末」と嘆き、「もうちょっと目に見える、少しずつでも、5メートルでも10メートルでも復旧していると感じられるものを被災者は望んでいるのではないか」と口にしました。

一方で、行政と被災者や遺族との溝がなかなか埋まらない現状には思う部分もあり、「あれこれ皆さん言っているけれど、自分で切り開いていかないと前に進んでいかないような気がするのよ、俺は」とも述べています。

そして、午前10時28分。

かつての自宅があった場所で手を合わせると「静かに見守ってくれているんだろうなと自負している。ありがとう」と路子さんに感謝すると共に、「助けてやれなくてごめんね。本当はもっと楽しい人生がこれからあっただろうけど、全部背負わせてしまってごめんね」と偲びました。

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